新春うたあそび



新春うたあそびの会に、大勢のお客さまにいらしていただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

ピアノと琵琶、篳篥、能管に語りという、たいへん稀有な組み合わせで、日本の古典文学と童謡の世界を表現するという初の試みでしたが、非常に楽しんでいただけて、出演者、スタッフ一同、ほっとしております。

今後も、定期的に続けていく予定ですので、「うたあそびの会」どうぞ宜しくお願いいたします。

<新春 うたあそび プログラム 2006.2.2>
第一部
オープニング 越天楽 篳篥 枡武志
枕草子より(作曲―新藤、編曲―矢澤)
「 春はあけぼの 夏は夜 秋は夕暮れ 冬は早朝」

ピアノ新藤×琵琶矢澤×語り佐々木
  「暁の別れの美学」 ピアノ、作曲―新藤×語り佐々木
平家物語より「扇」 琵琶、語りー矢澤×語り佐々木×能管
万葉集より
(作曲―新藤、編曲―矢澤、現代語訳歌―佐々木)
 
  「自然を愛でる歌」 6首 矢澤×佐々木
  「酒をほめる歌」 8首 篳篥桝×矢澤×佐々木
  「恋の歌」 16首 ピアノ新藤×佐々木
越天楽 今様 (篳篥で、会場の皆様と)
休憩
第二部 
  いろはかるた遊び  
童謡琵琶  兎と亀 琵琶、語りー矢澤
童謡メドレー ピアノ、アレンジ、歌―新藤×歌、佐々木
  浦島太郎
かあさんの歌
ゆりかごの歌
砂山
冬景色
 
  フィナーレ  花  
         
盛り沢山の内容でしたが、来場者―観客というより参加者、と言ったほうがいいかもしれませんが、皆さんの教養レベルの高さとノリの良さ、楽しみかたの巧さに驚きました。後半の童謡は、歌声喫茶のように、お客さまとともに大合唱で歌を楽しむことができました。

また、日本の「言葉」、ことわざ、を会場の皆さんとともに味わい、再発見してみようと企画した「いろはかるた遊び」では、会場の皆さんに、「い」から「京」までのなにがしかのカードを渡して休憩時間に書き込んでいただき、「江戸のいろはかるた」「京都のいろはかるた」「うたあそび荻窪のいろはかるた」それぞれを紹介しつつ、笑い楽しむ時間となりました。

皆様の参加率が非常に高く、書いていただいたものも面白かったので、ここに紹介させていただきます。

いまいちど 帰りたい 我が人生
ほんのりと 春が来たよな コンサート
へいわと戦争
とおく過ぎた日を想いながら今日も歌う
ち飲み子のような者になりなさい(聖書より)
「りんごの唄」から平和な日本に
ぬくぬくと 越天楽うたう 冬の夜
「るびーの指輪」は古の歌?古といえば万葉集!素敵で面白いと再発見!
をどってうたって幸せ夢を
つついづつ いづつにかけし まろがたけ
ねるひまも 惜しむがごときに 飲み語らう 昔の友は 今長き旅
らんりょうおう(蘭陵王)面を外せば 美少年
ひかり輝け 我らが青春
のらりくらりと生きるより 心若人 はばたけやこの人生
おもいおもいの心よ 軽く 今宵のミニヨンか
やめたいと 思う矢先に 焼鳥の においにつられ 入る居酒屋
ますらおぶりの 公子ちゃん
けっかより途中経過が大事
ふるさとは 雁木も雪に埋もれて ふりむけば 春の日そそぎ 武相荘
こうなったらやるしかない
えみ浮かべ 万葉のうた 聴きほれる
みかんの名所は愛媛ぞなもし
四季おりおりの風景眼に浮かびけれ
すぐ出るは、と外で待つこと早や5分
京の都はいつまでも 心のふるさと ○○ちゃんと
           
▼以下、お客さまからの感想

古の美しい世界に誘ってくれてありがとうございました。

ピアノと筑前琵琶の掛け合いがとてもよかったです。楽器の特性から言って、あんなに合うとは思いませんでした。

あの手この手でぐいぐい引込まれたような気がする。それがまた心地よく、本当に楽しいひとときを過ごしました。

琵琶とピアノのハーモニー(波紋)が、最初に印象強く感じました。
それから、篳篥をあれだけ間近で、単独で聞いたことは初めてでしたので、大変印象的でした。
また、能管ですが、ぴりっと引き締まってすばらしかったです。那須与一の語りの部分、琵琶と相俟って目の前で扇が虚空に舞う様を創造できました。
全体として、語りを忘れてはいけませんね。何度か聞いて思うのですが、かたりによりリアリティが非常にますところに亜希子さんの真骨頂があると思います。

昨晩のお客さんは、年季の入った方が多く、やはり聞き手としてレベルが高かったと思いました。
大変楽しく過ごせました。ありがとうございました。

面白い。(テンポが良く、飽きない)
語りのトーンが良い。
あの分厚い枕草子を、再読したくなった。
語り手の表情が、魅力的だ。
今様万葉集では、昔と今が混沌として、珍しい気分となる。
ピアノが良く合った。
琵琶と琴とで「平家物語」をすぐ脇で演奏してくれて、貴重な思い出となる。
那須与一が弓を射る情景に、あの鋭い横笛が効果的だった。
お客さんのスジが、なかなか良い。
用事があったのだが、途中で帰りたくなくなった。




新春うたあそび ごあいさつ 2006.01.01

新春を寿ぎ、日本の美しき言葉、歌、文学、文化を楽しみたいと思います。

活動弁士としても活躍中の語り部佐々木亜希子、日本を始め世界各地の民謡、古典音 楽を斬新にアレンジするピアニスト新藤理恵、そして、シルクロードを渡って伝えられた楽器、琵琶の世界の魅力を伝える実力者矢澤公子。ゲストに篳篥奏者桝武志を迎え、語りと歌と、ピアノ、琵琶、篳篥のちょっと異色の組合せ。難しそうな演目ですが、堅苦しくはありません。一応知識としては知っている文学の世界、きっと、あたたかく、面白く、けっこう親しみやすくて味わいがあるんだなあと、いろんな発見があるでしょう。会場の皆さんにもちょっと一緒に言葉遊びをしていただくつもりです。
旧正月、立春間近の一夜、いにしえ人の熱い想いに触れ、日本文化のよさに酔いしれ、ご機嫌な時間を過していただきたいと思います。会場の荻窪ミニヨンは、クラシックのミニコンサートを行う、趣のある老舗の名曲喫茶です。いにしえ人たちのように、梅をかざして…とはいいませんが、ほんの少しのワクワクした気持ちを梅のかわりに、持ち寄りお集い下さるのをお待ちしております。

ご予約・問い合せは、info@mokuren.gr.jpまで