洋画 【コメディ】
チャールズ・チャップリン 『キッド』 The Kid
1921年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 57分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、ジャッキー・クーガン
C・チャップリンが初めて手掛けた長編ドラマティックコメディ。“涙と笑いの哲学”が織り込まれた父と子の愛あふれる名作。

『黄金狂時代』 The Gold Rush
1925年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 82分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/マック・スウェイン、ジョージア・ヘイル
ゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台に描く、山師チャーリーの一攫千金の夢と恋の物語。チャップリン映画の最高傑作の一つ。

『街の灯』 City Light
1931年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 84分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/ヴァージニア・チェリル、ハリー・マイヤ−ズ
街の放浪者と盲目の花売り娘との恋物語。可笑しく悲しいペーソスに満ちたチャップリン代表作。

『モダン・タイムス』 Modern Times (短縮版)
1936年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品  短縮版15分
監督・脚本・音楽・主演/チャールズ・チャップリン
共演/ポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン
急速に機械化していく文明社会を痛烈に風刺した長篇喜劇。トーキー嫌いのチャップリンが「ティティナ」を歌い初めて声を聞かせたことでも有名。

『チャップリンの消防夫』 The Fireman 
1916年 米 ミューチュアル社作品 19分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/ミルドレッド・ハリス、エリック・キャンベル
失敗ばかりの三等消防夫チャーリーが、惚れた娘の火事救出で大活躍。

『チャップリンの霊泉』 The Cure
1917年 米 ミューチュアル社作品 17分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
当時日本では「アルコール先生」と呼ばれていましたチャップリン。アル中紳士チャーリーが、療養に来た霊泉で大騒動。ドタバタが、バレエのように優美。

『チャップリンの勇敢』 Easy Street
1917年 米 ミューチュアル社作品 20分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
警察官になったチャーリーがEasy Streetに平和をもたらす。貧困・飢え・暴力のテーマをテンポよくまとめた作品

『チャップリンの冒険』 The Adventure
1917年 米ミューチュアル社作品 18分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
脱獄囚チャーリーが、助けた令嬢に歓待されるが、途中でバレて大騒動。

『チャップリンの移民』 The Immigrant with Charlie
1917年 米ミューチュアル社作品 18分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
イギリスからの難民船に乗り、移民チャーリーが自由の国アメリカへ。果して幸福は手に入るのか。

『チャップリンの放浪者』 The Vagabond
1916年 米ミューチュアル社作品 22分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
チャーリ−は貧しい放浪の音楽家。ある時、ジプシーの下僕として働く娘にひかれ、彼女を助け出す。二人の幸せな放浪生活が続くかと思ったが…。

『チャップリンのスケート』 The Vagabond
1916年 米ミューチュアル社作品 15分
監督・脚本・主演/チャールズ・チャップリン
共演/エドナ・パーヴィアンス、エリック・キャンベル
バスター・キートン 『荒武者キートン』 Our Hospitality
1923年アメリカ作品 68分
監督・脚本・主演/バスター・キートン
出演/バスター・キートン、ナタリー・タルマッジ
二つの家系に長年続く争闘。敵対する家の子息と令嬢が恋に落ち…。西部を舞台に、キートンの驚くべきアクションとギャグが展開。

『キートンのセブンチャンス』 Seven Chances
1925年 米メトロゴールドウィン=キートンプロ作品 60分
監督/バスター・キートン
出演/バスター・キートン、ルース・ドワイヤー、ロイ・バーンズ
キートン映画の最高傑作とも言われる。今日の7時までに結婚すれば遺産が手に入る、事になり若き青年が花嫁探しに奔走する。花嫁候補の大群に追われたキートンが障害物と格闘しつつ川や山を駆け抜けて行くシーンは圧巻!

『海底王キートン』 The Navigator
1924年 米メトロゴールドウィン=キートンプロ作品 60分
監督/ドナルド・クリスプ、バスター・キートン
出演/バスター・キートン、キャサリン・マクガイア
おぼっちゃまのロロは、恋する令嬢に求婚を断られ、無人の船で一人新婚旅行に行くハメに。大海原に乗り出した、キートンの破天荒名映画。ほとんどのシーンが、海上の船の中、しかもたった二人のクルーというのに、奇想天外な仕掛けで全く飽きさせない。アイディアと手腕はすばらしい。

『キートンの大学生』College
1927年 米 キートンプロ作品 66分
監督/ジェイムス・W・ホーン
主演/バスター・キートン
運動音痴のガリ勉青年が、愛する彼女を追って入学した大学で大奮闘。スポーツ万能のキートンの演技、ギャグのセンスに脱帽。

『キートンの探偵学入門』Sherlock Jr.
1924年 米 メトロ=キートンプロ作品 44分
監督・主演/バスター・キートン
共演/キャスリン・マクガイア、ジョー・キートン
キートン3作目の長編喜劇。痛烈な諷刺と映画ならではのセンスあるギャグが随所に生かされた傑作。

『キートンの文化生活一週間』(マイホーム)One Week
1920年 米 22分
監督・主演/バスター・キートン
新婚のキートンは、自力で組立住宅による新居建築を試みるが…。恋敵の邪魔が入ったり、暴風雨に襲われたり、散々。命がけのギャグ満載、色褪せない必見王道コメディ!

『キートンの鍛冶屋』The Blacksmith
1922年 米 キートン・プロ作品 17分
監督・脚本・主演/バスター・キートン
共演/ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ
キートン27歳の短編喜劇。村の鍛冶屋の助手(キートン)が繰広げる珍騒動。
ハロルド・ロイド 『要心無用』 Safety Last
1923年 米パテー社 67分
監督/サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー
出演/ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイビス
ロイド喜劇傑作中の傑作、内気な青年の恋物語。良家の令嬢を恋人に持つロイドは、しがない某デパートの店員。彼女と結婚するために、一世一代の離れ業をやってのけることに!息を飲む、これぞサイレントの醍醐味。

『猛進ロイド』Girl Shy
1924年 米パテー社 80分
監督/サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー
出演/ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン
こちらもロイド喜劇傑作中の傑作、これまた内気な青年の恋物語。皮肉で痛快な女性分析や後半の活劇的展開も素晴らしい。キネ旬ベストテン娯楽的優秀映画の部第5位。

『ロイドの巨人征服』Why Worry?
1923年 米パテー社作品 56分
原作/サム・テイラー
監督/フレッド・ニューメイヤー、サム・テイラー
出演/ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン、ジョン・アーサン
冒険とロマンスと笑いに満ちたロイド喜劇の逸品!革命の渦中に飛び込んだ自称病弱な青年が、巨人を従え抱腹絶倒の大活躍。

『豪勇ロイド』Grandma’s Boy
1917年 米 パテー作品  短縮版16分
監督/フレッド・ニューメイヤー
出演/ハロルド・ロイド
気の弱いおばあさん子のハロルドが、御守りをもって大変身!小さな子どもにも大人気の一篇。

『ロイドの浮気者』 The Flirt
1917年 米パテー社作品 10分
監督/サム・テイラー
出演/ハロルド・ロイド、ビービ−・ダニエルズ
“眼鏡のロイド”の初期短編喜劇。お目当ての彼女を追いかけて、あの手この手の珍作戦。
ローレル&ハーディ 『キルトとズボン』 Putting Pants on Philip
1925年 米 パテー社作品 
監督/クライド・ブルックマン
出演/スタン・ローレル、オリバー・ハーディ
英国から来る甥を迎えに行くと、彼はなんとスカートをはいていた…。ヤセとデブの「極楽コンビ」として人気を博したローレル&ハーディの短編喜劇。
マックス・ランデー 初期のフランスで絶大な人気を誇った喜劇役者マックス・ランデーの短篇喜劇。
『マックスの近視眼』 Le duel dユun monsieur myope
1910年 仏 パテ・フレール社作品 6分
監督/リュシアン・ノンゲ
出演/マックス・ランデー
マックスは極度な近視眼。そ〜うとう近付かないと何も見えない。それゆえ、感違いからたいへんな事に!

『マックスの快癒』 Max en convalescence
1911年 仏 パテ・フレール社作品 10分
監督/マックス・ランデー
出演/マックス・ランデーとその家族

『マックスと犬』 Max et son chien Dick
1911年 仏 パテ・フレール社作品  9分
監督/マックス・ランデー
出演/マックス・ランデー、ジェーン・ルヌアール、犬のディック
その他喜劇 『チビッコギャング・ドッグデイズ』 Dog Dayユs
1925年 米パテー社作品 12分 
製作/ハル・ローチ 
出演/ジョウ・コップ、ジャッキー・コウドン、ファリナ
‘22年にハル・ローチが発案して作り始めた人気シリーズ。腕白ざかりのチビッコ集団が、大人の真似事をして笑いを巻き起こす

『チビッコギャング・モンキービジネス』 Monkey Business
1926年 米パテー社作品 11分 
製作/ハル・ローチ 
出演/ジョウ・コップ、ジャッキー・コウドン、ファリナ
チビッコギャングたちがおさるを味方に巻き起こす珍騒動。

『ドタバタ撮影所』
製作年、監督、主演等詳細不明 11分
ハリウッドでのシナリオライターを目指す青年ジョニ−が、撮影所に紛れ込んで引き起こす抱腹絶倒のドタバタコメディ。ライオンやワニが入り乱れての珍騒動は、どの上映会でも大人気!

『爆進ラリー』『ラリーの美容師』『ラリーのスピーディ』
192?年 アメリカ作品 計20分
監督/マック・セネット
出演/ラリー・シモン
ラリー・シモンのドタバタ短編喜劇オムニバス。

『メ−ベルのわがまま』
1915年 米 17分
監督/ロスコ−・ア−バックル
出演/メ−ベル・ノーマンド
喜劇界に名を馳せるロスコ−・ア−バックルが監督し、初期アメリカ映画の女性喜劇スターメ−ベル・ノーマンドが主演したドタバタコメディ。わがままメ−ベルとデブ男が遊園地で大騒ぎ。
洋画【ドラマ】
ジャネット・ゲイナー主演 『第七天国』 7th Heaven
1927年 米フォックス・フィルム作品 117分
監督/フランク・ボーゼイジ
原作/ヘルマン・ズーデルマン  脚本/ベンジャミン・グレイザ−
出演/ジャネット・ゲイナー、チャールズ・ファレル
無声映画史上最高の名画の一つ。生きる勇気と愛を謳う、第一次世界大戦下のパリを舞台にした感動のメロドラマ。第一回アカデミー賞の監督賞、女優賞、脚本賞を受賞。キネマ旬報ベストテン第1位。

『サンライズ』 Sunrise
1927年 米フォックス・フィルム作品 95分
監督/F.W.ムルナウ
原作/ヘルマン・ズーデルマン   脚色/カール・マイヤー
出演/ジャネット・ゲイナー、ジョージ・オブライエン
アメリカ無声映画史上最後の傑作と高い評価を得たムルナウ作品。若い夫婦の愛の危機と絆の修復を1日半の出来事の中で描く。キネマ旬報ベストテン第1位。

グレタ・ガルボ主演

『肉体と悪魔』 Flesh and the Devil
1927年 アメリカMGM作品 93分
原作/ヘルマン・ズーデルマン
監督/クラレンス・ブラウン
出演/ジョン・ギルバート、グレタ・ガルボ、ラース・ハンソン
グレタ・ガルボの人気を不動にした彼女の主演代表作。男の固い友情を揺るがす魔性の女を演じるガルボが、妖艶な美しさを放つ。

『イバニエズの激流』 The Torrent
1926年 米 MGM作品 70分
監督/モンタ・ベル
出演/グレタ・ガルボ、リカルド・コルテス
グレタ・ガルボのハリウッド第一回主演作。貧しさゆえに恋人との仲を引き裂かれ、故郷の村を離れてパリで歌姫となった女の数奇な運命を描く。

リリアン・ギッシュ主演

D・W・グリフィス監督

『散り行く花』 Broken Blossoms
1919年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 66分
監督・脚本/D・W・グリフィス
出演/リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス
アメリカ映画の父と呼ばれるD・W・グリフィスが、ロンドンの貧民窟を舞台に描いた、リリアン・ギッシュ主演の古典的悲恋メロドラマ。

『東への道』 Way Down East
1920年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 105分
監督・脚本/D・W・グリフィス
出演/リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス、ローウェル・シャーマン
ニューイングランドの片田舎の娘が男に騙され傷つきながら、障害を乗り越え本当の愛を見つけるまでの愛の奇跡。

『世界の心』 Heart of the World
1918年 米 アートクラフト社作品 99分
監督・脚本/D・W・グリフィス
出演/リリアン・ギッシュ、ロバート・ハーロン、ドロシー・ギッシュ
第一次大戦下のフランスを舞台にした米国人男女の運命の物語。1914年、結婚式直前に大戦が始まって二人は…。戦場の実写が多く使われている。
  『燻ゆる情炎』Smouldering Fires
1925年 米 ユニヴァーサル社作品 73分
監督/クラレンス・ブラウン
出演/ポーリン・フレデリック、ローラ・ラプラント、マルコム・マクグレゴア
愛するがゆえに自らを犠牲にする女。キャリアウーマンを演ずる名女優ポーリン・フレデリックの卓抜した演技と、若き日のクラレンス・ブラウンの手腕が光る。キネマ旬報ベストテン芸術的優秀映画第6位。

『椿姫』 Camille
1921年 米 メトロ映画作品 63分
監督/レイ・C・スモールウッド
原作/デュマ・フィス
出演/アラ・ナジモヴァ、ルドルフ・ヴァレンチノ
世界中で何度も映画化舞台化されている悲恋物語デュマ原作「椿姫」の初期傑作。ロシア出身の実力派大女優ナジモヴァと、若きヴァレンチノの共演した感動作。

『モデルの生涯』 Trilby
1915年 米 リパブリック・ピクチャーズ作品 49分
監督/モーリス・トゥールヌール
出演/クララ・キンボール・ヤング、ウィルトン・ラッカイ
藝術の都パリで絵画を学ぶビリーは、モデルの美しいトリルビィに恋をする。ところがアパートの隣人の音楽家が彼女に睡眠術をかけ…。
エルンスト・ルビッチ監督 『結婚哲学』 The Marriage Circle
1924年 米 ワーナー・ブラザーズ作品 85分
大正十三年度キネマ旬報ベストテン芸術的優秀映画の部第二位
監督/エルンスト・ルビッチ
出演/アドルフ・マンジュー、マリー・プレヴォスト
有閑紳士淑女のお洒落な恋愛遊戯。機智と皮肉に富んだ演出で、映画の神様といわれたルビッチが描く艶笑喜劇の傑作。

『ウィンダミア夫人の扇』 Lady Windermere’s Fan
1925年 米 ワーナー・ブラザーズ社作品 64分
監督/エルンスト・ルビッチ
原作/オスカー・ワイルド
出演/メイ・マッカヴォーイ、バート・ラティル、アイリーン・リッチ
オスカー・ワイルドの舞台劇を映画化。ロンドン社交界を舞台に、スキャンダラスな母親と、それを実母と知らない高貴な娘を中心に繰広げられる物語。

『パッション』 Madame du barry
1919年 独 作品 90分
監督/エルンスト・ルビッチ
出演/ポーラ・ネグリ、エミール・ヤニングス
ルイ15世の寵愛を一身に集めたデュ.・バリ夫人を描いた、華麗な貴族階級の愛欲絵巻。ルビッチのドイツ時代の作品。
メアリ−・ピックフォード主演 『雀』 Sparrows
1926年 米 ユナイテッド・アーティスツ作品 81分
監督/ウィリアム・ボーディン
出演/メアリー・ピックフォード、ロイ・スチュワート、メリー・ルイズ・ミラー
少女と孤児たちが底なし沼に囲まれた農場を脱出。サイレント時代「アメリカの恋人」といわれ人気を誇ったメアリー・ピックフォードの心温まる代表作。
ルドルフ・ヴァレンチノ主演 『シーク』 The Sheik
1921年 米 パラマウント作品 
原作/エディス・M・ハル
監督/ジョージ・メルフォード
出演/ルドルフ・ヴァレンチノ
“ロマンスと冒険に富んだ大映画”と絶賛されアメリカで大ヒット、冷徹なアラブの酋長を演じ、そのエキゾチックな魅力でヴァレンチノの名を不動にした彼の代表作。ベストセラーになった原作の小説が面白い。

『熱砂の舞』 The Son of The Sheik
1926年 米 ユナイテッド・アーチスツ作品 68分
監督/ジョージ・フィッツモーリス
出演/ルドルフ・ヴァレンチノ
31歳の若さで急逝した伝説の美男ルドルフ・ヴァレンチノの遺作にして最高傑作。「シーク」の続編で、アラブの酋長シークの息子ア−メッドが主人公。より魅力的になったヴァレンチノが、二役を演じている。砂漠を舞台にしたロマンチックな恋愛劇。
ダグラス・フェアバンクス主演 『ダグラスの海賊』 The Black Pirate
1926年 米  ユナイテッド・アーティスツ作品 82分
監督/アルバート・パーカー
出演/ダグラス・フェアバンクス、ビリー・ダヴ
世界初の本格的長編カラー映画。ハリウッドが生んだ最初のスーパースター、ダグラス・フェアバンクスが海賊に扮し、極悪の海賊に復讐、姫の救出と大活躍。
ロン・チャニー主演 『ノートルダムのせむし男』 The Hunchback of Notre Dame
1923年 米 ユニバーサル作品 98分
原作/ヴィクトル・ユゴー、監督/ウォーレス・ウォスレイ
出演/ロン・チャニー、パッシィ・ルース・ミラー
怪優ロン・チャニー演じる怪奇醜悪な鐘楼守の、悲しく美しい恋物語。何度も映画化されているヴィクトル・ユゴー原作の第一回映画化作品

『オペラの怪人』 The Phantom of the Opera
1925年 米 ユ二バーサル作品 75分
監督/ルパート・ジュリアン
原作/ガストン・ルルー
出演/ロン・チャニー、メアリー・フィルビン、ノーマン・ケリー
現在まで何度も映画化舞台化されているガストン・ルルー原作の「オペラ座の怪人」。ロン・チャニー主演で大ヒットしたサイレント怪奇映画の代表作。
早川雪洲主演 『チート』 The Cheat
1915年 米 エセックスフィルム作品 50分
監督/セシル・B・デミル
出演/早川雪洲、ファニー・ウォード
日本が生んだ最初のハリウッドスター、セッシュウ・ハヤカワの名を一躍有名にした作品。卑劣なプレイボーイを演じた衝撃的問題作。
D・W・グリフィス監督短篇 『罠にかかったサンタクロース』
1909年 米 18分
監督/D・W・グリフィス
貧しさから家を去った父親が、無事帰還するまでを描いた、映画の父グリフィスの初期名短篇。

『ドリ−の冒険』
1908年 米 12分
監督/D・W・グリフィス
小さな女の子ドリ−がジプシーに誘拐されて両親のもとへ戻るまでのストーリーを、音声も文字もなく、画像だけで見事に語った映画の父グリフィスのデビュー作。
<独の名画> 『メトロポリス』 Metropolis
1926年 独 ウーファ社作品 85分
監督/フリッツ・ラング 脚本/テア・フォン・ハルボウ
出演/アルフレート・アベル、ブリギッテ・ヘルム
映画史に燦然と輝く、百年後の大都市を描いた空想科学映画。SF映画の父フリッツ・ラング渾身の作。機械文明や階級社会、人間の意識への風刺が鋭い。

『カリガリ博士』 Der Kabinedes Dr.Caligari
1919年 独 デクラ=ビオスコープ作品 50分版
監督/ロベルト・ヴィーネ
出演/ヴェルナー・クラウス
表現派映画の先駆。第一次大戦後のドイツ映画を世界的にした歴史的作品。

『吸血鬼ノスフェラトゥ』 Nosferatu Ein Symphonie Des Glauens
1922年 独 プラナ社作品 63分
監督/F・W・ムルナウ
出演/マクス・シュレック、アレクサンダ−・グラナッハ
巨匠F・W・ムルナウによる、恐怖映画の定番、吸血鬼伝説の元祖といえる作品。ブレーメンに住む不動産業者のハ−カーは、仕事でトランシルバニアのドラキュラ伯爵の古城へ行く事に。しかしそこで次々に奇怪な事件が…。無気味な雰囲気の中にロマンが漂う作品。

『嘆きの天使』 Der Blaue Engel
1930年 独 ウーファ社作品  無字幕版トーキー 107分
監督/ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演/マレーネ・ディートリッヒ、エミール・ヤニングス
スタンバーグが無名のディートリッヒを主役に起用し、世界的大スターにした作品。ディートリッヒの愛くるしい微笑みと美しい肢体、刺激的なエロティシズムに、観客も魅了されていく。この「天使」に魅せられ、実直な教師から道化へと朽ちて行く哀れな男を、ドイツ一の名優エミール・ヤニングスが好演している。

<ニーベルンゲンの歌 Nibelungen>
第一部 『ジークフリート』SIEGFRIED
第二部 『クリームヒルトの復讐』 Kriemhilde's Revenge

1924 独 ウーファ=デクラ=ビオスコープ作品
脚本/テア・フォン・ハルボウ
監督/フリッツ・ラング
撮影/カール・ホフマン、ギュンター・リッタウ
出演/パウル・リヒター、マルガレーテ・シェーン、ハンナ・ラルフ、ゲルトルート・アルノルト
ゲルマン民族の間に古くから伝わる一大民族叙事詩「ニーベルンゲンの歌」を 第一部『ジークフリート』、第二部 『クリームヒルトの復讐』として、二年近い歳月をかけて製作されたドイツ映画史上に燦然と輝く大作。名匠フリッツ・ラングが夫人となったハルボウの脚本を得、世界に名だたるドイツ映画を支えていた優秀なスタッフの協力の元、見事な詩的映像美を完成させた。主演パウル・リヒターは『ドクトル・マブゼ』に続いてのラング作品であり、彼の百本近い出演作品の中でも代表作。大正14年度キネマ旬報ベスト・テン芸術的優秀映画の部第四位

『モンブランの嵐』 Sturme Uber dem Montblanc
1930年 独 ウーファ社作品 無声縮刷版 24分
監督/アーノルド・ファンク
出演/レニ・リーフェンシュタール、ゼップ・リスト
アルプスの最高峰モンブランを舞台にした恋と冒険の物語。山岳映画の巨匠アーノルド・ファンクの初期作品。100歳まで新作映画を撮り続けたレニ・リーフェンシュタールの若き日の姿が、美しい映像とともに蘇る。
<露の名画> 『戦艦ポチョムキン』
1925年 ソ連作品 55分
監督/セルゲイ・エイゼンシュテイン
出演/アレクサンドル・アントノーフ、グレゴーリ・アレクサンドロフ
第一次ロシア革命の出来事「水兵反乱事件」の史実をもとに描かれたエイゼンシュテインの作品。モンタージュ等の手法を確立したロシア映画史上の最高傑作
<仏の名画> 『眠るパリ』 Paris qui Dort
1923年 仏 フィルム・ディアマン作品 39分
監督・脚本/ルネ・クレール
出演/アンリ・ロラン、マドリーヌ・ロドリグ、アルベール・プレジャン
フランスの代表的な監督ルネ・クレールの第一回監督作品。喜劇味と風刺を散りばめたSFファンタジー。

『月世界旅行』 Le Voyage dans la Lune
1902年 仏 スターフィルム作品 10分
監督・主演/ジョルジュ・メリエス
巨大なロケットで月に到着した一行が月世界人と格闘。数々のトリック撮影、豊かなイマジネーションで空想科学映画の祖といわれる。

『極地征服』 A la conquete du Pole
1912年 仏 スターフィルム作品 8分
監督・主演/ジョルジュ・メリエス
トリック映画の祖、メリエスが描く不思議な北極探検の旅。

『雪の騎士』 La chevalier des neights
1912年 仏 スターフィルム作品 19分
監督/ジョルジュ・メリエス
黒騎士にさらわれた婚約者を取り戻しに旅立つ雪の騎士の物語。

『ジゴマ』 Zigomar
1911年 仏 エクレール社作品 54分
監督/ヴィクトラン・ジャッセ
連続活劇映画流行の端緒を開いた大ヒット作品。神出鬼没、変幻自在な大悪漢、怪盗ジゴマと、探偵との闘いをスリリングに見せていく。公開当時は日本でも子どもたちを熱狂させ、ジゴマをまねた犯罪が増えたことから上映中止になったほど。

『リュミエールの実写集』
1895年〜 仏 14分
リュミエール兄弟の発明した映画が、1895年12月23日、パリのグラン・カフェの地下で初めて一般公開された。それから彼らは映写技師を世界各地に派遣してシネマトグラフを広めつつ、各地の映像を実写させた。その記録を集めた実写集。
<伊の映画> 『復讐の紅薔薇』 La Nave (封切邦題『シップ』)
1920年 伊 ザノッタ=アンブロジオ作品 60分
原作/ガブリエーレ・ダヌンツィオ
監督/ガブリエッリーノ・ダヌンツィオ
出演/イダ・ルビンシュタイン、アルフレード・ボッコリーニ
6世紀半ばの水の都ヴェネチア。陰謀によって一家を陥落させられてしまった美女が復讐を誓い、権力に立ち向かう。

『アッスンタ・スピーナ』 Assunta Spina  (『ナポリの恋』)
1915年 伊 カエサル・フィルム作品 47分
原案/サルヴァトーレ・ディ・ジャコモ  監督/グスタヴォ・セレーナ
出演/フランチェスカ・ベルティーニ、グスタヴォ・セレーナ
イタリア映画が世界を席巻していた頃、最初のディーヴァ(人気女優)として世界中で絶大な人気を誇ったフランチェスカ・ベルティーニ主演の話題作。ナポリの娘の情愛と薄幸を描いた、ヴェリズモ(真実主義)映画の代表作。非常にイタリアらしい作品。
<デンマークの映画> 『ズィゴ 催眠鬼X(ズィゴ)』 Zigo
1914年 デンマーク ダンマーク作品 13分
監督
カン・ヴァン・デァ・オー・クーレ
出演
エミーリエ・サンノム、ラスムス・オッテセン
催眠術を操るジプシーをテーマにした、無声映画黄金期のデンマーク映画。
洋画【アニメ】
  『がんばれ、ガスパール!』 Histoire a la gomme
2006年 ベルギー カラークレイアニメ 15分
監督/エリック・ブレサン
ガスパールは、お人好しでちょっと弱気な男の子。でも、好きな女の子が誘拐される現場を見て…。イキイキとした子どもの姿に引込まれる小気味よいテンポのクレイアニメ。

『VERSUS─対─』
2005年 仏 カラーアニメ 7分
日本の戦国時代をモチーフにしたフランスのアニメーション。赤国と青国が、小さな島を手に入れようと、あの手この手で闘いを繰り広げる。シュールで笑える短篇アニメの快作!


邦画 【現代劇】

小津安二郎監督

 

『生れてはみたけれど』
1932年(昭和7年) 松竹キネマ蒲田作品 91分
監督/小津安二郎  原作/ジェームス・槇 
出演/斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄、突貫小僧、坂本武
小津安二郎監督初のキネ旬ベストテン第1位。子どもから見た大人の世界を笑いと皮肉たっぷりに描く<小市民映画>の最高傑作。

『東京の合唱(コーラス)』
1931年(昭和6年) 松竹キネマ蒲田作品 91分
監督/小津安二郎  脚本/野田高梧
出演/岡田時彦、八雲恵美子、斎藤達雄、菅原秀雄、高峰秀子
キネ旬第3位。会社をクビになった岡島が妻子を抱え途方にくれる。人生の哀歓と人の情をコミカルに描いた傑作。

『出来ごころ』
1933年(昭和8年) 松竹キネマ蒲田作品 101分
監督/小津安二郎 
出演/坂本武、大日方傅、飯田蝶子、伏見信子、突貫小僧
“喜八もの”と呼ばれる小津監督の下町人情喜劇シリーズの決定版。裏長屋に住む喜八と息子富夫(突貫小僧)の親子の愛、友情、人情、不器用な恋、笑わせ泣かせる名作。昭和8年キネ旬第1位。

『浮草物語』
1934年(昭和9年) 松竹キネマ蒲田作品 87分
監督/小津安二郎 
出演/坂本武、飯田蝶子、八雲理恵子、坪内美子、三井秀男、突貫小僧
旅芸人一座の座長喜八をとりまく人間模様を描く。父と子の愛情、男と女の愛憎を、時代とともに浮草稼業の一座に反映させた“喜八もの”シリーズの代表作。昭和9年キネ旬第1位。

『大学は出たけれど』
1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 縮刷版16分
監督/小津安二郎  原作/清水宏
出演/高田稔、田中絹代、鈴木歌子
社会状況が現在と似ている昭和4年の小津作品。就職難の中、のんきな青年も許婚の姿に成長していく。小津の笑いのセンスが見える。

『落第はしたけれど』
1930年(昭和5年) 松竹キネマ蒲田作品 分
監督・原作/小津安二郎  脚色/伏見晃
出演/斎藤達雄、田中絹代、突貫小僧
『大学は出たけれど』に続く小津の「けれど」もの。主人公高橋はカンニングに失敗し、落第はしたけれど、就職難のため卒業した仲間は仕事がなく、留年した高橋をうらやましがるというオチ。無声映画なのに音が聴こえてきそうなほどテンポのよい、リズムのある傑作コメディ。

『その夜の妻』
1930年(昭和5年) 松竹キネマ蒲田作品 66分
監督/小津安二郎  脚色/野田高梧
出演/岡田時彦、八雲恵美子、市村美津子、斎藤達雄
「着物でなければアメリカ映画そのもの」と評された、ハリウッドの影響色濃い小津のサスペンス映画。普通の真面目な男が、ある時病気の娘のために罪を犯す。その夜、妻は。夜9時から朝9時までを描いた物語。

『東京の女』
1933年(昭和8年) 松竹キネマ蒲田作品 47分
監督/小津安二郎  脚色/野田高梧、池田忠雄
出演/岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代
左翼への弾圧が強まり、政治結社の活動等は描けなくなった頃の作品。この年は自殺者も急増し、暗い時代を反映した作品となった。

『母を恋わずや』
1934年(昭和9年) 松竹キネマ蒲田作品 93分冒頭とラストの巻が欠損
監督/小津安二郎  構成/野田高梧  脚色/池田忠雄
出演/吉川満子、大日方傅、三井秀男
父親に先立たれ、母と残された息子二人。長男は先妻の子だったが、実の子の弟より自分に甘い母に反発し、身をひこうとする。吉川満子演ずる、子を思う母の姿が胸をうつ良心的作品。

『突貫小僧』
1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 18分
監督/小津安二郎 
出演/突貫小僧、斎藤達雄、坂本武
突貫小僧こと青木富夫の出世作。誘拐された坊やが、誘拐犯たちを困らせる爆笑喜劇。斎藤達雄演ずる誘拐犯とその親分(坂本武)、そして突貫小僧の絶妙なやりとりは一見の価値アリ!子どもたちも大爆笑です。

溝口健二監督

『瀧の白糸』
1933年(昭和8年) 98分
監督/溝口健二  原作/泉鏡花 
出演/入江たか子、岡田時彦
泉鏡花原作、溝口監督のサイレント期の最高傑作。愛する男のために尽くす女の姿を哀しく美しく描いた感動の名作。昭和8年キネ旬第2位。

斎藤寅次郎監督

『子宝騒動』
1935年(昭和10年) 松竹キネマ蒲田作品 34分
監督/斎藤寅次郎
出演/小倉繁、出雲八重子
喜劇の神様と呼ばれた斎藤寅次郎監督の無声映画時代の最高傑作。貧乏人の子沢山、失業中の亭主の奮闘コメディー。短篇喜劇としては異例のキネ旬ベストテン入り作品。

『明け行く空』
1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 60分
監督/斎藤寅次郎 ●脚本/水島あやめ
出演/川田芳子、高尾光子、河村黎吉 
喜劇の天才斎藤寅次郎監督初期の母モノ。やむなく別れた母と娘と祖父の麗しい愛情と、昭和初期のほのぼのした村の日常を描く。

『モダン怪談100,000,000円』
1929年(昭和4年) 松竹キネマ鎌田作品 16分
監督/斎藤寅次郎
主演/斎藤達雄、松井潤子、坂本武、小倉繁
駆け落ちした若い男女が赤城山で国定忠次の幽霊と出会うドタバタ・コメディ。
内田吐夢監督 『虚栄は地獄』
1925年 朝日キネマ合名社 15分
監督/内田吐夢
出演/滝田静江、長谷川清
自分の職業を偽って結婚した若い夫婦が、本当の職を隠し見栄を張るほどドツボにはまっていく…。内田吐夢監督初期のドタバタ風刺コメディ。

『生命の冠』
1936年 日活作品 (本来トーキーだが、無声版)54分
監督/内田吐夢
原作/山本有三
出演/岡譲二、滝花久子、原節子
現在の北方領土で蟹缶詰製造所を経営する兄弟の葛藤を描いた良心的作品。流氷のオホーツク海、蟹漁の様子など、現地ロケーションによる貴重な映像が随所に見られる。時代背景は、小説「蟹工船」と重なっている。

文芸作品

『伊豆の踊子』
1933(昭和8)年 松竹蒲田作品 93分
監督/五所平之助
原作/川端康成
出演/田中絹代、大日方傳、小林十九二、若水絹子
踊子薫と学生水原の淡く切ない恋物語。可憐な踊子を田中絹代が好演。川端文学に挑む巨匠五所平之助の青春篇。 キネ旬第8位。

『不如帰』ほととぎす
1922年(大正11年) 松竹キネマ蒲田作品 25分
原作/徳富蘆花  監督・脚本/池田義臣
出演/栗島すみ子、岩田祐吉、鈴木歌子
徳富蘆花の出世小説「不如帰」の映画化。日清戦争下の文芸悲劇で、舞台化の後何度も映画化されたが、栗島すみ子の人気で本作がよく知られている。「人間は何故死ぬのでしょう。生きたいわ、千年も、万年も…」の浪子のセリフは有名。

『東京行進曲』
1929年(昭和4年)日活太秦現代劇部作品 縮刷版25分
監督/溝口健二  原作/菊池 寛 
出演/夏川静江、島 耕二、小杉 勇
雑誌「キング」に連載中だった菊池寛の同名小説の映画化。小唄映画の時流に乗って、西条八十作詞、中山晋平作曲で作られた主題歌と共に大ヒットした作品。

『波浮の港』
1929年(昭和4年)東亜キネマ作品  縮刷版25分
監督/根津新
出演/高田稔・歌川るり子
野口雨情作詞、中山晋平作曲の流行歌をモチーフにした小唄映画。大島から出てカフェで働く女の物語。モボ・モガの青春篇。

  『福寿草』
1935年(昭和10年) 新興キネマ作品 45分
原作/吉屋信子 監督/川手二郎
出演/江川ほなみ、岡崎光男、久松三津枝
少女小説の先駆者吉屋信子の花物語の中から映画化された一篇。思春期の少女たちの淡い恋と思い遣りを描いた良心的な感動作。

『美しき愛』
1931年(昭和6年) 松竹キネマ蒲田作品 32分
原作/水島あやめ 監督/西尾佳雄
出演/高尾光子、河村黎吉、突貫小僧
水島あやめ原作の少女小説を、農林省畜産局がタイアップして映画化。静かな農村を舞台に親子の情愛を描いた涙をしぼる佳作。
  『翼の世界』
昭和12年 日活多摩川作品 無声縮刷版40分
監督/田口哲 ●原作・脚色/武田寅
出演/島耕二、黒田記代、中田弘二
日本航空輸送会社との大々的タイアップで製作された日本初の本格的航空映画。東京飛行場に勤める二人の操縦士の友情物語。

『お父さんの歌時計』
昭和12年 日活多摩川作品 無声縮刷版20分
監督/吉村廉  
出演/山本礼三郎、星玲子
本来はトーキー作品だが、地方巡回活弁用の無声縮刷版しか現存しない。貧しい中支えあい想い合う家族の絆を描いた、吉村廉らしい良心的佳作。
マキノ作品 『雷電』
1928年(昭和3年) マキノ御室撮影所作品 18分
監督/マキノ省三
出演/根岸東一郎、マキノ正博
“日本映画の父”牧野省三の監督としての遺作。息子マキノ正博が俳優として出演した最後の作品。伝説の力士雷電為右衛門の爆笑の一番。

『黒白双紙』
1924年(大正14年) マキノプロダクション作品 36分
監督・脚本/曽根純三
出演/清川清、藤井民治、杉狂児
「黒」の炭屋と「白」の洗濯屋の珍騒動。喧嘩の絶えない主人同士だが、炭屋の倅と洗濯屋の娘は恋仲。マキノ映画のナンセンスな笑いが満載。
邦画 【時代劇】

大河内傳次郎

阪東妻三郎

片岡千恵蔵

嵐寛寿郎

市川右太衛門

尾上松之助

月形龍之助

  『御誂治郎吉格子』
1931年(昭和6年) 日活作品 65分
監督/伊藤大輔  撮影/唐沢弘光
出演/大河内傳次郎、伏見直江、伏見信子、高勢実乗
『忠次旅日記』を始めとする数々の大ヒット傑作時代劇を生み出した伊藤大輔、唐沢弘光、大河内傳次郎の名トリオの代表作。二人の女に想われる傳次郎演じる鼠小僧が、心憎い色男ぶり。キネ旬第4位。

『血煙高田馬場』
1928年(昭和3年)日活京都作品 縮刷版6分
監督/伊藤大輔
出演/大河内傳次郎・東木寛(伴淳三郎)
講談でおなじみの堀部安兵衛の高田馬場18人斬り。大河内傳次郎が、豪快な安兵衛を演じている。現在に残るのは残念ながら6分程度だが、一応話がわかるのだからすごい。

『沓掛時次郎』
1929年(昭和4年) 日活作品 63分
監督/辻吉郎  原作/長谷川伸
出演/大河内傳次郎、酒井米子、葛木香一
賭世人であるがゆえに斬った男の妻と子を連れ、堅気になろうと旅をする沓掛時次郎。だがしかし・・・。大河内傳次郎演じる時次郎が魅力的。

  『江戸怪賊傅 影法師』
1925年(大正14年) 東亜マキノ等持院作品 51分
監督/二川文太郎  原作・脚色/寿々喜多呂九平
出演/阪東妻三郎、マキノ輝子、高木新平、月形龍之助、中村吉松
阪妻人気を決定的にした大ヒット作。明和から天明にかけ、真の悪を挫く鮮やかな盗賊影法師が活躍する。痛快時代劇。

『逆流』
1924年(大正13年) 東亜等持院作品  21分
監督/二川文太郎  脚本/壽々喜多呂九平
出演/阪東妻三郎、マキノ輝子
反逆のヒーローを描き、代表作「雄呂血」の基になったといわれる作品。現存する最も初期のころの阪妻映画。

『小雀峠』
1923年(大正12年)マキノ等持院作品  縮刷版27分
監督/沼田紅緑
出演/市川幡谷、高木新平、阪東妻三郎 
現存する最古の阪妻出演作品であり、阪妻が、悪役仇役で出演している珍品。親子の情愛、人情を描いた良心的佳作。

『開化異相』 
1928年(昭和3年)阪妻プロ作品  縮刷版20分
監督/犬塚稔
出演/阪東妻三郎、森静子、中村吉松
阪妻初のザンギリものとして話題になった作品。文明開化、恋人の父殺害の冤罪で投獄された男の復讐劇。

『番場の忠太郎 瞼の母』
1931年(昭和6年) 千恵プロ作品 65分(縮刷版もあり)
監督/稲垣浩  原作/長谷川伸
出演/片岡千恵蔵、山田五十鈴、常盤操子
巨匠稲垣浩監督の無声時代の傑作人情時代劇。何度も映画化されている「瞼の母」の中でも、片岡千恵蔵の本作は素晴らしい。幼い頃生き別れた母を尋ねて、江戸へ来た渡世人の忠太郎だったが…。

『放浪三昧』
1928年(昭和3年) 千恵プロ作品 63分
監督/稲垣浩  原作・脚色/伊丹万作
出演/片岡千恵蔵、衣笠淳子
伊丹万作の脚本で撮った稲垣浩監督の最古の現存作品。千恵蔵演ずる伊達主水の明朗さ、喜劇的で知的な、味わいのある優れた時代劇。

『鞍馬天狗』前后篇
1928年(昭和3年) 嵐寛プロ作品 75分
監督/山口哲平  原作/大佛次郎
出演/嵐寛寿郎、山本礼三郎、五味国枝
嵐寛といえば『鞍馬天狗』といわれるほどの当たり役となった人気シリーズ。倒幕を掲げて卑怯な輩を相手に鞍馬天狗が大活躍。大人気を博した幕末ヒーローもの。

『怒苦呂』
1927年(昭和2年) 右太プロ作品 32分
監督/白井戦太郎
出演/市川右太衛門、高堂国典

市川右太衛門20歳の時の作品。幕府軍に相対する教徒軍の隊長として出陣する志士、霊之介の奮闘。しかし過酷な運命が。殺陣シーンも華麗。

『豪傑児雷也』
1921年(大正10年) 日活作品 15分版、21分版
監督/牧野省三
出演/尾上松之助、市川寿美之丞
目玉のまっちゃんこと尾上松之助主演の大人気忍術もの。善を勧め悪を懲らし、お家の再興を図る義賊、児雷也。ガマ、オロチ、ナメクジの三つ巴の妖術合戦は見物。

『斬人斬馬剣』
1929年(昭和4年) 松竹下加茂作品 縮刷版26分
監督/伊藤大輔 撮影/唐沢弘光
出演/月形龍之助
幕末の小さな藩を舞台に、圧制に苦しむ民を救う民衆のヒーローを、卓抜したスピード感で描く、伊藤大輔監督初期の傑作。悪人に靡く輩を味方に変えていく主人公の説教とキャラクターが魅力的。

『剣聖 荒木又右衛門』
1935年(昭和10年) 極東キネマ作品 44分
監督/仁科熊彦
出演/羅門光三郎、斯波快輔

赤穂浪士、曽我兄弟の仇討とともに、“天下三大仇討”の大乱闘と言われる痛快チャンバラ映画。羅門光三郎演じる荒木又右衛門の36人斬りの大乱闘をご覧あれ。

  『浪人街 第二話〜楽屋風呂』
1929年(昭和4年) マキノ御室撮影所作品 縮刷版49分
監督/マキノ正博
出演/根岸東一郎、マキノ登六、南光明

マキノ正博監督若き日の代表作『浪人街』三部作の第二話。浪人者たちの赤裸々な人間味を描き大ヒットした。全編はないが貴重なフィルムである。

『艶姿影法師』
1933〜34年(昭和8、9年) 宝塚キネマ作品 前後篇53分
監督/仁科紀彦(熊彦)
出演/大谷日出夫、原駒子、阪東太郎
女であるのにお家のために男であらねばならぬ旗本篠原吟之丞―お吟。だが怪盗カゲロウといわれる鼓陣内に恋をして…。

『続 水戸黄門』“讃岐の巻”
1928年(昭和3年)日活京都作品 縮刷版24分
監督/池田富保
出演/山本嘉一・河部五郎・尾上多見太郎
水戸老公生誕300年を記念して製作された日活の春秋超大作。四国高松を舞台に、老公が藩主の暴政を戒める。

  『幕末渡世異聞 月太郎流れ雲』
2004年 「幕末渡世異聞月太郎流れ雲」製作委員会 
原作・脚本/石森史郎 監督/田中貴大
出演/嘉島典俊、笠原章、麻乃佳世、中田博久
平成の時代に作られた無声映画時代劇。元祖チビ玉嘉島典俊が、若き日の木戸孝允、月太郎を演じている。
邦画 【実写映像】
  『脚の人生』
(昭和13年頃)藝術映画社作品 縮刷版分
構成/中山良夫
足をテーマに、明治、大正、昭和初期の履物の変遷を追ったもの。懐かしい浅草、銀座等の街並みと合わせ、文化風俗の変化が興味をひく実写映像。
邦画 【漫画映画】
  アニメ『桃太郎』
1928年(昭和3年)10分
作画/山本早苗
おとぎ話の「桃太郎」を描いた、世界に誇る日本アニメーションの原点。登場人物の表情や風景、宝物等の描写も見事。


アニメ『空の桃太郎』
1931年(昭和6年)横浜シネマ商会作品 5分
作画/山本早苗
「桃太郎」が、遠い国の乱暴者アラワシを退治に戦闘機で出かけていく。戦時中の戦意高揚に使われたと思われる漫画映画。

アニメ『一寸法師 ちび助物語』
1935年(昭和10年) 旭物産合資会社映画部作品 10分
作画・演出/瀬尾光世
ご存知一寸法師の漫画映画。大事な姫を守るため、チビ助一寸法師が大活躍。秘術のスタンプでドンドン増えるチビ助が愛らしい。

アニメ『のらくろ二等兵(教練の巻・演習の巻)』
1931年(昭和6年) 横浜シネマ商会作品 16分
原作/田河水泡 漫画・演出/村田安司
講談社「少年倶楽部」連載、人気漫画の映画化。戦前から戦後にわたり50年続き、日本漫画の原点といわれる「のらくろ」の初期作品。

アニメ『のらくろ伍長』
1934年(昭和9年) 横浜シネマ商会作品 11分
原作/田河水泡 漫画・演出/村田安司
ちょっぴり出世したのらくろ伍長が、機密書類を盗んだ山猿聯隊のスパイを大追跡!?

アニメ『日の丸太郎・武者修行の巻』
1936年(昭和11年)6分  
作画/鈴木阿津志
正義の味方日の丸太郎が、無頼漢大熊大八を忍術でやっつける、楽しいアイディア満載時代劇アニメ。

アニメ『馬具田城の盗賊』
1926年(昭和1年) 10分
監督/大藤信郎
大正期から活躍した国産アニメーションの草分け大藤信郎による“千代紙映画”の代表作。大ヒット映画「バグダッドの盗賊」(24)のパロディ。

アニメ『おいらの野球』
1930年(昭和5年) 10分
監督/村田安司
セル画のまだなかった時代、切り絵のアニメーションの技術を極めた村田安司のコミカルな一本。動物たちの愉快でへんてこな野球漫画。
 
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